2025/02/27 コラム

第一章 PFASってなに?

PFAS(ピーファス)とは1万種類以上あると言われている有機フッ素化合物の総称です。

PFASは炭素原子とフッ素原子が強力に結びつくことで、耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐候性など高い性能を備えており、2000年代はじめまで多くの分野の製品で使用されてきました。しかし、PFASの中でもPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)は、特に原子同士の結びつきが強くて分解が遅く、自然界に残留する性質があります。そのため、水環境や食物連鎖を通して人の健康や動植物の生息・生育に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

PFASが含まれる可能性のある製品
現在半導体製造に使用されるPFASは代替物質への置き換えが推奨されています。

今では国際的に協調してPFASを減らす取り組みを行っていて、そのひとつとして「ストックホルム条約」という国際的な環境条約を締結し、約180ヶ国以上の加盟国でPFOS、PFOAの製造・使用を規制しています。

このような世界的な動きもあり、日本では2020年以降、環境省が中心となって全国の自治体や水道事業者に号令をかけ、PFASの水質検査有無などの調査を行っています。

2024年には食品安全委員会がPFASの人への健康影響についての評価を公開し、健康リスクに関しての議論が活発に行われています。一方で、水道水に含まれるPFASについては検査や報告は、現在法律で義務づけられていないため未調査地点も多く(2026年度から義務化の見通し)、検査後も水質は日々変動しています。

関連性が否定できない健康への影響 ・出生時の体重低下 ・コレステロール値の増加 ・腎臓がんや乳がんなどの発がんリスク ・ワクチン接種後の免疫低下

私たちの身の回りにある水の安全性はどうなっているのでしょうか?PFASに関して、今後とも国や自治体の調査・報告を注視するとともに、長期的な身体への影響が気になる方は個々人で対応策を考える必要があると言えます。

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